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『STANDARD SUPPLY 祝10周年!!』
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STANDARD SUPPLYの10周年イベントが9月26日(木)よりビームス ジャパンにてスタート。今回はSTANDARD SUPPLY 二子玉川の新店舗へお邪魔し、デザイナー藤本氏にブランドのことから裏側まで取材させていただきました。
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ー 創設期から続くアイテムについて
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佐久間)まずはSTANDARD SUPPLY 10周年おめでとうございます。ブランド創業当初から今までの定番品などございますでしょうか。
藤本)ありがとうございます。1番最初にスタートしたアイテムのひとつがDAILY DAYPACKです。入れ替わりの激しい洋服に比べるとバッグは定番が多いので気付けば10年定番選手になっていました。シリーズの中では1番ベーシックで中心になっているサイズ感になります。見た目は普通。ただし、かゆいところに手が届くのがポイントです。過去のバックパックを遡るとシングルジップが多く、前ポケットのダブルジップは、リュックを右肩に背負う人もいれば左肩に背負う人もいる。ジップが一方通行だと開けにくい人もいるので、いろんな人が使いやすいように改良しました。もともとデイパックとはアメリカのカレッジスタイルから生まれたものだと考えていますが、それを日本人流の細かい部分の気遣いでアップデートしています。他にも入口がマジックテープになっている左サイドポケットには指が1本入る余裕があります。指が入る余裕があることで開け閉めやすさが格段とよくなります。
佐久間)STANDARD SUPPLYのバックパックの印象は先ほどご説明いただいた通り、洋服を邪魔しなく、かつ気が利いているのでつい手が伸びます。特にハーネスが肩から落ちにくく、背負い心地が良いと感じます。何か秘訣があるのでしょうか。
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藤本)いや~特に・・・何か良いこと言ったほうがいいと思うんだけど・・・(笑)強いて言えば細かい部分の積み重ねでしょうか。例えばパッドの厚さや硬さはいくつもバリエーションがあるのですが、その厚みや硬さにはこだわっていたりとか、強度を上げる為に中にテープを這わせています。生地だけだと滑脱する恐れがあるので全部這わせることで強度と持ったときの安定感を確保しています。そういう細かいところの積み重ねがあるのかもしれないですね。あとはサイズによって背面にパッドを入れたりしています。大きいサイズにはパッドを入れたり。逆に小さいサイズだと厚みが気になったり、くしゃっとした表情がデイパックの魅力だと思うところもあるので、ただ同じ仕様でサイズを変えるようなことはしません。見た目は大きな違いはないですが、仕様を細かく変更してアップデートをしています。二子玉川の立地上、ファミリー層が多いのでニーズに合わせていたら気付けば6サイズ展開。ファミリーでご使用いただけます。
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佐久間)BEAMS PLUSでもまさしくDAILY DAYPACKが長らく定番化している1つです。STANDARD SUPPLYをはじめたきっかけを当時の担当者に聞いてみました。すると、もとはARTS & CRAFTSをBEAMS PLUSでは展開していたので実は一度お断りしていたとか。やるなら当時は少なかった撥水機能のあるバックパックをやりたいと伝えたところ、ロクヨンクロスよりもより機能的なブリザテックの生地を提案してもらい、それが現在まで定番別注として残り続けています。今回の別注ももちろんブリザテックを使用しました。
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ー「SAGE GREEN COLLECTION」について
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佐久間)24FWシーズンの別注はセージグリーンカラーにフォーカスしたコレクションを作成しました。アメリカ軍で採用されているカラーでもあります。ただミリタリーを連想させる濃いオリーブグリーンに対して、淡くぼんやりとしたセージグリーンは、ミリタリーカラーと植物の名前という2面性を併せ持ったカラーだと考えています。上品さと見る人によって色の見え方が異なるような曖昧なカラーを見事に形にしてもらいました。
藤本)今回は初めてブリザテックの生地を染めるということにチャレンジしました。実際にSTANDARD SUPPLYの店舗ではブラックが一番人気ですが、次いでグレーやチャコールグレーが人気です。今回のセージグリーンはグレー寄りのニュアンスカラーで良い色に着地できたと思っています。しかもミリタリー背景のカラーでもあるのが非常にBEAMS PLUSらしいと感じました。
佐久間)今回は生地だけでなく、レザーやテープ部分など全部染めましたが、苦労したことはありますか。
藤本)全部組成が異なるので微妙に色が違いますが、うまくまとまったと思います。それぞれの素材に合わせてトーンは異なりながらも統一感が出るように色を染める段階で指定するカラーも調整しています。
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ー 10周年イベントに関して
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佐久間)9月26日(木)より新宿のビームス ジャパンにて開催される「スタンダードサプライのスタンダード。展」がはじまります。ずばり本イベントで注目するアイテムを教えてください。
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藤本)BEAMS PLUSやbprの別注アイテム、それと10周年用につくったインラインのアイテムがあります。ブランド10周年ということで形に残るものをつくりたいと思い、本もつくりました。特装版に関してはブックショルダーも付いています。10周年でしたので10色つくりました。その名の通り、この本が収納できるポケットです。サイズ感はスマートフォンを入れるのにも便利なサイズとなっています。
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中にはBEAMS PLUSの別注アイテムも掲載されています。なるべくカタログみたいな本にはしたくなかったのですが、見事にカバン屋さんの本ではなく、モノ寄りな本になりました。自分の頭の中を探られるような内容となっているので良かったら手にとっていただければと思います。
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佐久間)他にも10周年用のアイテムを教えてください。
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藤本)こちらのデイパックはナイロン糸にコーデュラを使用しています。コーデュラの糸は硬いので、かなりハリと独特のシワ感があり、圧迫感があります。普段のロクヨンクロスとはまた違うパキッとしたカラーが新鮮です。
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10周年を記念して、ピスネームは初期のネームを使用しました。そしてこちらも10周年なので、10色展開です。たくさん色を作りたくなるんです(笑)。
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また26年の春にリリースされるランドセルもお披露目します。10周年ですので色々チャレンジしてみました。
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こちらはリサイクルの再生ポリエステルを使用しました。重さは950グラムとランドセルの中では軽量です。今回のカラー展開は、実際にお子様がいる方たちに色を選んでもらいました。ちなみに二子玉川の保育園の子どもたちに好きな色を選んでもらったら男女ともに、この水色が一番人気でした。タブレットを入れるスペースがあったり、防犯ブザーを付けられるようになっていたり、リコーダーが入るスペースがあったりと今の時代に合わせたランドセルにしました。お子様の成長とともにSTANDARD SUPPLYがそばにいてもらえたらうれしいです。
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佐久間)ランドセルとは驚きました。これから先の10年のビジョンなどございますでしょうか。
藤本)カバンはファッションの一部でもありますが道具でもあるので、時代に合わせて定番品もアップデートしていく必要があると思います。飽きられないように新しいことにチャレンジする攻める部分と守る部分のバランスを大事にしていきたいです。
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藤本孝夫(スタンダードサプライ・バッグデザイナー)
1965年長崎県生まれ。アメリカ文化に影響を受けた少年時代を過ごして上京。大手バッグメーカーでメンズチーフデザイナーとして活躍し、2004年に独立。国内外の主要なバッグブランドのデザインを幅広く手掛けるなどして2006年にエバーグリーンワークスを設立。同年に『ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)』ブランドをスタート。2014年に余白美を感じるクリーンなデザインで、長く愛されるプロダクツを提案する『STANDARD SUPPLY(スタンダードサプライ)』をスタート。
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『MOJITO × BEAMS PLUS』
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2024年秋冬のMOJITO別注のキーワードは“パジャマ”。
年に2回行われるBEAMS PLUSの別注企画会議。BEAMS PLUSで取り扱っている各ブランドへどのようなアイテム、ストーリーで別注企画するのかを話し合う場です。2024年秋冬の別注企画会議で決まる企画もあれば、決まらない企画も多々…まさに後者のケースであったMOJITOはその場では企画が決まらず、持ち帰りとなりました。
チーフバイヤーのサミュエル金子、ビームス プラス 丸の内所属でありMOJITO熱烈ファンのリチャード佐藤と後日連絡を取り合いながら企画を揉みました。
企画を話し合う中で様々な意見が交わる中、冒頭にある“パジャマ”というキーワードは皆賛同し、本別注の企画がようやく固まりました。
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さて、どういうアプローチでこの“パジャマ”をMOJITO山下氏に依頼し、別注を製作してもらうか。どういうスタイル、アイテムに当てはめていくのかはイメージはしやすいものの、MOJITOらしさやブランドらしさをどう表現していくのかは難航しました。そんな中、そもそものブランドネームである『MOJITO』というネームに注目。MOJITO=モヒート、ブランドの根幹でもあるアメリカの文豪でもあるアーネスト・ヘミングウェイが愛したカクテルが命名されています。モヒートはラムをベースにし、ライムとミントでブレンドされたカクテル。当初はヘミングウェイが愛して止まなかった(中毒となった)ドリンクと、MOJITOの顔とも言えるオープンカラーシャツの〈ABSINTH SHIRT(袖を通した人を魅了し虜になる≒中毒になる)〉にかけ、ドリンクに使われる象徴的な“ミント柄”を使いたいとデザイナー山下氏に打診。というのもタグに使われていたモチーフデザインのミント柄を今回の企画の生地に落とし込み、パジャマらしい柄使いやブランドロゴを全面に出したかったからです。山下氏からは「やりましょう!」と快諾頂き、企画がスタート。
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パジャマという軽快なウェアに、MOJITOらしい男らしさ…生地には細畝のブラックコーデュロイを採用。軽くとも、クラシックな表情が楽しめる生地です。
どの様に“パジャマ”らしくしていくか・・・?
今回、ベースとなったアイテムはブランドの顔とも言える〈ABSINTH SHIRT〉と〈GULF STREAM PANT〉の2型でパジャマらしいセットアップスタイルに。
ただ単に定番の形に別注の生地を落とし込むのではなく、よりパジャマらしさを・・・という点で山下氏にアレンジして頂きました。
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〈ABSINTH SHIRT〉
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完成されたモデルが故にアレンジをし過ぎると元のABSINTH SHIRTとは異なってくる為、山下氏と慎重にアレンジを加えていきました。ルームウェアとしてのリラックス感を演出する為のアームのアレンジ、パジャマルックを強くする為のパイピングやボタンチョイス。絶妙なアレンジでBEAMS PLUS仕様のABSINTH SHIRTに仕上がりました。
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〈GULF STREAM PANT〉
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シャツ同様にブランドでは定番のモデル。ウエスト周りが特徴的なディテールとなり、パジャマ仕様には最適な共生地のウエストベルトが付属。トップス同様にリラックス感を重要視し、採用したパターンはワイドバージョンでレングスは通常モデルよりも長めに設定。トップスと合わせた時はまさにパジャマらしいリラックス感に。
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山下氏による定番アイテムへのパジャマアレンジが加わった今回の別注モデル。プリント生地からディテールまでBEAMS PLUS別注として製作して頂きました。
ミント柄のリーフプリントは見方によってはドット?エンブロイダリー??と思わせる柄域に。
パジャマをキーワードとしていますが、もちろんファッションとして楽しんで頂きたいアイテム。家でも、外でも、旅のお供にも...今年もMOJITO × BEAMS PLUSをお楽しみ下さい。
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